サンテパルクの告白会場に着くと、会場の外に、カップル成立用のテントと椅子がいっぱい並んでいた。
事前のアンケートでカップルになった人たちが、たくさんいることがわかる。
昨日も今日も時間が短くて、女の子との会話を深めるほどには至らず、
自分の気持ちがうまく乗っからないまま告白の時を迎えた。
ぼくは、昨日の時点で2人に絞り、さきほどのフリータイムでその2人と気持ちの上では重点的に話し、
告白する相手を決めていた。
柴田志寿香さん。
にこやかでかわいらしくて、芯の強そうな女性。立っているだけで心の健やかさが伝わってくる。
最初に顔を合わせた時からなぜかとても気になり、複数の女性が来てくれても、柴田さんを目で追うことが増えていった。
彼女がいちばん現実として、自分と一緒にここでやっていってくれそうに思える。
ぼくが駆け寄ると、柴田さんは驚いた表情を見せた。
「この二日間で、柴田さんのことをもっと知りたいと思いました。
これからたいへんかと思いますけど、二人で未来をつくっていきましょう」
その場で考えたけれど、正直な気持ちだ。
メロンを差し出すと、柴田さんは照れくさそうに受けとってくれた。
ホッとした。
予想通り成立したカップルは多く、ぼくたちはテントの一角に座り、
まるで同じ戦を経た同志のように緊張から解放された。
抜け駆け防止で、宿泊先もトイレも、男女が厳密に隔離されて過ごしてきたけれど、
カメラからも解放され、ようやく本当の笑顔で話すことができる。
「おつかれさまでした」
「おつかれさまでした」
どちらからともなく言って、二人で笑った。
カップル成立後はお互いの連絡先を交換し、でも意外に時間も短く、あっという間にお別れとなった。
うれしい気持ちと、寂しい気持ちと、これから何かが始まっていくワクワクした気持ちを抱えて、
バスに乗る彼女を見送った。