恋路ヶ浜LOVEストーリー

伊良湖岬の先端にある雄大な浜辺には、万葉の時代から恋にまつわる様々な伝説があった。
その浜はいつしか「恋路ヶ浜」と呼ばれるようになった。
現代の恋路ヶ浜に舞い降りた、ある男女の縁結びの物語・・・

(28) あとがき

ご愛読ありがとうございました。

今まで赤や緋色のイメージの小説を書いてきた私が、白や水色のイメージのラブストーリーを書けたのは、
峻平くん、志寿香ちゃんの清らかさと、渥美半島の美しい自然のおかげです。
お二人に会うと、いつも心が洗われる思いでした。
柴田夫妻に加え、作中にご登場いただいた粕谷夫妻にしても、新婚さんというのは、初々しくて神々しい存在なんだなあと感動しました。
私は結婚15年目で、なんとか結婚生活をがんばっていますが(笑)、初心を思い返しました。

今回の執筆にあたり、取材させてもらったみなさま、岬プロジェクトのみなさま、本当にありがとうございました。
私自身、ふるさとを再発見したり、今まで知らずにいたことを教えていただいたり、とても有意義な時間でした。
もっと盛り込みたかった場所やことがらもありますが、ストーリーの流れ上、すべてを網羅できず、すみません。

なお、実在のモデルがいる小説となると、事実と混同する方もいらっしゃいますが、
あくまでもフィクションとして、柴田夫妻のことも、この小説のことも温かく見守っていただけると幸いです。

私は渥美で生まれ育ち、一時は都会に憧れて東京へ出ましたが、帰省のたびに伊良湖の海を眺めに出かけ、
渥美の自然や人のかけがえのなさに気づき、戻ってきて豊橋に嫁ぎました。

素晴らしきふるさとを、誇りに思っています。

柴田夫妻と渥美半島の幸多き未来を心から祈っています☆

 

日原いずみ

 

伊良湖岬伊良湖岬

<2000年 作者の結婚式の日の恋路ヶ浜>

日原いずみ

日原いずみ

1973年2月4日、愛知県渥美町(現 田原市)生まれ
早稲田大学卒業後、テレビ番組のAD、現代美術作家助手などを経て、
処女小説が講談社「群像」新人文学賞で最終候補作となったのを機に執筆活動を中心としている。
著書に『チョコレート色のほおずき』(藤村昌代名義:作品社)、『赤土に咲くダリア』(ポプラ社)がある。

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